現在のように多種多様な日本の野菜の在来種が日本のどこから入ってどのように広がり,分化し、たねとりをして伝えられてきたかが大変よく分かります。
蕪、大根,菜種についてはかなり詳しく書かれています。
もうすでに絶滅してしまったであろう品種も載せられています。
元々はそれほど野菜に種類があったわけではありません。
それぞれの土地に持ち帰り,それぞれ土地の気候や嗜好にあったものを残してゆくことでこれだけの多くの豊かな品種が生まれたのです。
桜島大根は最大45kgにもなり世界最大だし、
守口大根は元々は66cmぐらいだったらしいが、今では130cm以上ものもあります。
何十年,何百年もたねとりとしているうちにこれほどまで大きさや長さが変化してゆくのは面白いですね。
茄子が早生系と晩生系に分かれていったり、華南系・華北系のきゅうりの分布、和種系・洋種系の蕪の分布、アザミバゴボウやルタバカの伝播も興味深いです。
日本列島は縦に長く、気候も異なるので、これだけさまざまな野菜が生まれてきたんですね。
土地のあったたねとりの重要性が身に染みます。
土地な合ったたねこそがムラの命をつなぐ宝なのです。
今、大手種苗メーカーの支配による単一栽培によって在来種が失われようとしています。
そしてそれと同時にそれぞれの地方に残る漬け物や郷土料理も消えようとしています。
昔、東北地方では蕪は「かてもの」として非常用の保存食でした。
実が固くギュッとしまった蕪は葉を切りおとしておけば春までスが入らず食べることができました。
その蕪は甘みが強く、蒸かして潰して雑穀粉やそば粉と練って「カブネリ」にして子供のおやつになったそうです。
どんな味がするんでしょうね。
現代人にとっては未知の味です。
どこでも何でも手に入る便利な世の中になって、長期保存しなくても生活できるようになった。
生活スタイルが変われば消えてゆくものがあることも自然なことかもしれないが,
なんだか食のフランチャイズ化(味の単一化)はつまらないですね。
在来種の野菜と食文化はご一緒に残してゆきたいですね。
昔の文化,知恵、技は食だけでなく目を見張るものが多いです。
生きること自体を今見直す時なんですね。
皆さん畑で遊んで、素敵な美しい野菜たちを味わい&たねとりしましょう。